update 2008.06.23

ENVIRONMENT ISSUE 新素材と環境・・・

− エコロジーなチタンフレーム −

 アメリカの高級カスタムフレーム市場では現在でもチタンフレームがハイエンドに君臨しています。 多くのチタンフレームユーザーは耐食性や生体親和性に優れ、リサイクルも容易で、エコロジーな金属の代表格であるチタン素材に高い価値を見出しています。 また、芸術的な溶接技術などの目に見えるワークマンシップと良質なチタン合金を使用したフレームの持つ独特の衝撃吸収能力が生み出す乗車感にほれ込んでいるユーザーも多く、これらがアメリカでのチタンフレームの根強い人気を支えています。


− 炭素繊維強化樹脂フレームの問題 −

 現在日本の高級車市場を席巻しているカーボンモノコックフレームと呼ばれている炭素繊維強化樹脂フレームの質量の8割近くはリサイクルの困難なエポキシ樹脂等のプラスチックやガラス繊維で構成されていると言われています。 樹脂にとって経年変化は避けて通れない問題で、紫外線等でも樹脂部の劣化が促進されます。 本来持っていたフレーム特性も使用頻度が上がるに連れて樹脂部の強度が徐々に失われていきますので、たとえ高性能であっても樹脂フレームは数年で使用限界が訪れます。
 現在使用済み樹脂フレームの廃棄は焼却されていると思われますが、フレームに含まれているガラス繊維は焼却すると飛散や焼却炉への融着が、エポキシ樹脂の場合はダイオキシン類の発生が問題となります。 カーボン繊維は焼却してもそのまま残りますが、問題はカーボン繊維の中でも高い抗張力が注目されて、現在多くのフレームやパーツに採用されている、カーボンナノチューブがアスベストと同様に体内に取り込まれた場合、分解されず発がん性物質となる可能性が懸念されています。 これを含むフレームやパーツを焼却すると空気中に飛散する恐れがあることから、例え製造者が回収してもこれらを廃棄するには現在土中に埋めるしか方法がないと言われています。

 本来エコロジーな乗り物の代表格の自転車ではありますが、その製作に使用する材料によっては新たな環境問題を引き起こす恐れも指摘されています。

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