− エリクサーのチタンフレーム製作技術と特徴　−

　エリクサーはチタン合金チュービング開発のみならず、チタンの溶接・加工技術の発展にも寄与してきました。　現存するアメリカのほとんどのチタンフレームファクトリーはその黎明期にエリクサーからチュービングの供給と共に技術指導も受けています。　また、ＯＥＭファクトリーとして、彼らのハイエンドモデルの生産も請け負ってきました。　まさに実用チタンフレームのイノベーターと呼ばれているエリクサーにとって良質なチタンフレームとはどんなフレームなのでしょうか。

　チタンフレームの価格は、安くは１０万円、高くは３５万円ほどで、幅広い価格で流通していますが、多くの消費者はチタン製でありさえすればすべて同様の材料であり、知名度の高いファクトリーの製品だから高価格で高品質だと認識しがちです。　しかし、チタンフレームの価値を決定する重要な要素は使用するチュービングの品質と溶接方式、それから溶接後に正確なフレームアライメントを保持させる技術です。　これらはフレームの性能と耐久性に多大な影響を与えます。　エリクサーは、チタンフレームは高価格ゆえ、その優れた機械的性質や耐食性を生かして長期間の使用に耐えうる品質であるべきと考え、エリクサーのフレームは徹底した工程管理のもと下記の技術と材料が使われています。

１） Grade9 + 3 Original Butted Tubing　(オリジナルチュービング)
　すべてのエリクサー製フレームには“引張強度”　と “降伏強度”及び“縦弾性係数”の理想的な比率を維持した Grade9をベースにエリクサーが独自に機械的性質を改良したGrade9 + 3チタン合金から作られたエリクサーバテッドチュービングを採用しています。　高強度であるのみならず、加速性能と振動吸収性能を高次元で両立させています。　重量も他社の同一サイズのフレームを基準として最も軽量なフレームに仕上がっています。

２） Double　Welding　（２重溶接）
　すべてのエリクサー製フレームは、２重溶接されています。 一次溶接は、溶接棒を使用せずに、代わりにチタンチューブをカットするとチューブ端面に出来る鋸の刃状のバリを利用しチューブとチューブを溶接します。 二次溶接では溶接棒を使い、一次溶接した部分を再度溶接します。　２重溶接することによって、融点が高く溶接時の溶融質量が小さいチタン合金の融合質量を増やし、溶接部位が非常に丈夫になります。 また接合部から発生するノイズを防ぐこともできます。　但し、この作業は熟練の溶接工のみが可能で、チタン溶接の最も高い技術を持つアメリカでも２重溶接ができる熟練工はきわめて少なく、フレーム１本の溶接に要する時間も倍増し、コスト高になるため、ほとんどのチタンフレームファクトリーでは通常の溶接方式がとられています。　ちなみにエリクサーではフレーム購入後、１０年以内に溶接ビード部よりフレームが破断した場合はそのフレームの無償交換を保障しています。

３） Normalizing　(焼きならしによる調質)
　溶接を行うとチタンは、溶接された部分の特性が変化して変形します。 これを防ぐためにすべてのエリクサーフレームは溶接後、一定の時間内にフレームを焼きならし（Normalizing）を行います。　この処理を行うことで、フレーム全体の特性を一定にしフレームの変形を防ぎ、長期間使用してもフレームの弾性や強度が失われにくくなり、驚異的な耐久性を与えます。

４） Polishing & Burnishing　（研磨・バニシ仕上げ）
　エリクサーではフレームの表面に製作の過程で発生した傷と付着した不純物を除去するために、フレーム全体を研磨します。　その後、バニシ仕上げで表面を平滑にして硬度を上げ圧縮力を残留させることで、疲れ強さと耐磨耗性を向上させています。　また、この処理は外部からの不純物（塩分、Gas、化学薬品など）がチューブへ浸透することも防止しますので、エリクサーのフレームは何年使用しても、再研磨して酸化膜を取り去るだけで製作当時の輝きを取り戻します。
　エリクサーではフレームの再研磨サービス(有料)も行っています。

５） Noise Dumper　System　（ノイズダンパーシステム）
　すべてのエリクサーフレームは、リアエンド と チェンステイ、シートステイ の間にノイズダンパーを装着して走行中に発生するノイズを抑制しています。

６） Grade5 Frame Parts
　すべてのエリクサーフレームにはGrade5チタン合金から高精度マシニング加工で製作したヘッドチューブ、ＢＢシェル、リアエンド、ケーブルストッパー、ブレーキマウントを使用して耐久性を高めています。 。