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− エリクサーチタン合金バテッドチュービングの特徴 −
チタンの比重は鉄の2/3ですが、アルミの約2倍、故にチューブは薄肉にしてバテッド加工しないと重量的なメリットが生じません。
Grade9チタン合金のバテッドチューブ加工は困難を極めましたが、エリクサーは1992年についに独自の加工技術により高精度のGrade9チタン合金シームレスバテッドチューブ製作に成功しました。 その後、エリクサーではすべてのチュービングにバテッド加工を施して軽量化、さらに
Grade9をベースにアルミニウムとバナジウムの配合を高め、バテッド加工できる極限まで機械的性質を改善した
Grade9 + 3 と呼ぶ独自の改良材を開発しました。 このGrade9+3チタン合金は、ASTMが定めた
Grade9 の中で強度保障を凌駕する強度を有して、より高品質な自転車フレーム用チュービングを作ることが可能となりました。
現在流通している自転車フレーム用チタニウムチューブのタイプは以下のように4つに分けられます。
図1) 内面部を加工しておらず内面部に海綿状の組織が残っている
チューブ
図2) 内面部を引抜加工したチューブ
図3) 内面部を2段に引抜加工したチューブ(Double Butted)
図4) 外径を2段階に加工しながら、それぞれの外径部分に合わせ肉厚を
変化させたチューブ(Tapered Double Butted)
チタンはその性質上、ビレットから加工した段階では組織が粗く、密度も低くい為、強度が劣ります。それを高い圧力を表裏から加えることで、より密度を高め機械的性質が改善できます。
例えば、板状のチタンを丸めて溶接して製作したシームド管では表面の改質が十分に行えていません。一般的に廉価なチタニウムフレームにはこのようなシームド管や再生チタニウム、もしくはシームレス管であっても図1)のようにチューブ外側からだけ引き抜き加工(圧力を加える加工)し、内面部をまったく加工してないチューブが使用されています。
材料費は安価ですが、これらの粗悪なチュービングを使用して製作されたフレームは衝撃吸収に劣り、フレームそのものの寿命が短くなります。使用するにつれて弾性が落ち、加速しにくくなります。
図2、3、4)のチューブは、チューブの外側から圧力を掛けながら内部へ鋼鉄でできた芯金(マンドレル)を強力な力で挿入して引抜加工します。図2、3、4)の順に加工が困難になりますが、その反面、チューブの重量を軽減できる上に弾性も高められ、走行時の加速が優れたフレームを作るチュービングになります。
上記の事よりエリクサーでは、バテッド加工されたGrade9+3シームレスチュービングを供給しています。
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