update 2008.07.01

ELIXXIR
TITANIUM MATERIAL
エリクサーが使うチタンとは・・・

− エリクサーチュービングには最高品質のチタン合金が使用されています −

 エリクサーフレームチュービングには、世界最大の国際標準化・規格設定機関であるASTM(アメリカ材料試験協会規格)のGrade9の規格に合致した中でも最高品質のTi-3AI-2.5V チタン合金が使用されています。 BOEING社への納入実績があるエリクサーのチタニウムマテリアルは、2年間エイジング(*時効性合金であるチタン合金は自然時効させることで機械的性質がより改善される)した高品質チタンインゴットから直接製作されたビレットを用いてフレームチュービングに加工されています。


− Grade9チタン合金とは −

 チタニウムマテリアルと言っても様々な種類があります。 それらの機械的品質を保証する手段の一つとして、世界的に権威があるASTMの規格が一般的に用いられています。
 下表はASTMの基準により分類されたチタニウムマテリアルです。     



*ASTM
GRADE
合金成分
最低保証
引張強度
(KSI)
最低保証
降伏強度
(KSI)
縦弾性係数
(PSI-106)
Unalloyed Ti
35
25
14.9
Unalloyed Ti
50
40
14.9
Unalloyed Ti
65
55
14.9
Unalloyed Ti
80
70
15
Ti-6Al-4.0V
130
120
16.4
Ti-5Al-2.5Sn
120
115
16
Ti-0.15Pd
50
40
14.9
Ti-3Al-2.5V
90
70
13.1
*アメリカ材料試験協会規格 American Society for Testing and Materials

 上表にあるように機械的性質が Grade1 の純チタンと Grade5 の合金とでは引張強度で10倍近くの開きがあります。 Grade4 のように純チタンベースで強度の高い材料もありますが、溶接部の強度劣化が大きく溶接フレームには不向きです。 Grade5は、高強度なチタン合金ですが、フレームチュービングには、引張強度、降伏強度、縦弾性係数のバランスのとれたGrade9を用います。


− Grade9は、なぜ自転車フレームチューブに最適なチタン合金なのか −
 自転車フレームには、引張強度、降伏強度、縦弾性係数のバランスのとれた高強度で薄肉・軽量のシームレスチューブを使用するのが理想です。 一般に縦弾性係数が高ければ材料は変形しにくいのでフレーム材料として好ましいと思われがちですが、縦弾性係数が高ければ引張強度と降伏強度ともに高いレベルにないと、薄肉のチューブに加工したときに問題が生じます。
  エリクサーも過去には純チタンベースのGrade1〜4を利用してフレーム製作を試みましたが、結果的にはすべて失敗に終わりました。 理由は上記表で示すように純チタンベースでは引張強度と降伏強度が低く縦弾性係数が高いため、外部からの衝撃に弱く、軽量にするため薄肉(1mm以下)にチューブを仕上げると容易く亀裂が入ってしまい、また亀裂を防ぐために肉厚をあげると、重く、過剰な剛性を持つフレームとなってしまいました。
  これらの条件を最も高いレベルで満たしているのはGrade5ですが、加工が非常に困難で自転車フレーム用シームレスチューブに加工することは現在の技術では不可能です。 但し、Grade5は切削による加工が容易で高強度であるため、主にフレームエンド、BBシェル、ケーブルストッパーなどの材料に使用されています。
 一方Grade9は高い引張強度と降伏強度を持ちながら他のGradeのチタニウムマテリアルより縦弾性係数値が低いため外部からの衝撃吸収に優れており、自転車フレーム用チタニウムマテリアルとしては最も理想的な材料でした。
 この特性に注目したエリクサーは、薄肉のシームレスチューブの開発に着手しました。

(C) 2005 Smartcog Co.,Ltd. All rights reserved.